■コメント
桃太郎のモデルになったといわれる、有名な吉備津彦命と温羅の戦いの伝説(吉備津彦伝説、温羅伝説)にまつわる神社で、おそらく岡山県で最も有名な神社。
古来は、吉備津神社とも吉備津彦神社とも呼ばれていたようです。
もちろん祭神は吉備津彦命。 また、吉備津彦命が倒した温羅の首を埋めたとされる鳴釜殿があり、釜の鳴り具合で吉凶を占う「鳴釜神事」は有名。
備中国式内社(大社)で、備中国一宮。 吉備(備前・備中・備後・美作)の総鎮守です。
吉備国が備前・備中・備後に分かれた時、備前・備後にも吉備津神社が分社され、それぞれの国の一宮となっています。 また、備前から美作が分国したときも中山神社として吉備津神社から分社されました(ただし、中山神社については諸説あり)。
かなり大きい神社なので数回に分けて取材。 サイト上も数回に分けて掲載します。
2005年1月3日参詣のあと、本殿の屋根葺き替え工事が開始されました。 2005年10月24日に、工事中の本殿屋根を期間限定で見学できるということで行ってきました。当日、本殿の葺き替え工事の他、本殿内部も公開されていたので写真を撮りました。
都合で、それ以外の撮影は出来ませんでした。
本殿内部は朱壇という朱色に塗られた祭壇の周りを回るように通路が設けられています。 そしてその通路上、本殿の四隅にそれぞれ御崎(オンザキ)神社があります。
朱壇正面にも左右に御崎神社があります。
ネットでいろいろ見て回ると、吉備津神社と御崎神社は密接な関係があるようです。 県内各地に御崎神社が多数あるのはそのためのようで、吉備津神社の遥拝所の役割をしているとの説もあります。
吉備津神社本殿の四隅の御崎神社はそれぞれ、『艮(うしとら)』『坤(ひつじさる)』『巽(たつみ)』『乾(いぬい)』の名前が付いていますが、これは方角を表したものでしょう。
そして艮御崎神社のところには鬼の飾りが置かれています。 これは艮は鬼門だということと関係があるのだと思います。 また、吉備津から程近い岡山市辛川市場には、同名の艮御崎神社があり、そこは桃太郎の鬼のモデルである温羅(うら)を祀っています。
このこととも関係があると思われます。 ですから、その鬼の顔の飾りは温羅であると考えられます。
ちなみに、 辛川市場の艮御崎神社は吉備津神社の艮の方角になります。
御崎は「おんざき」「みさき」と2通りの読み方がありますが、吉備地方では「おんざき」と読むものが圧倒的に多いようです。
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